皆さん、こんにちは。例によって唐突ですが(笑)、「驚愕」って言葉の意味わかりますか?わかりますよね。「驚愕」または「驚き」とは動物が予期しない事象を体験した時に起こる瞬間的な感情のこと、らしいです。人生60年の間には驚愕することが沢山ありました。そんな驚愕のなかで、今も忘れられなくて私の記憶に入っているものを、児童期から順を追って20題ほどご紹介します。名付けて「驚愕の記憶」。今回は「空前のちびまる子ちゃんブーム」
時は1990(平成2)年の10月初旬。この時、私は29歳。名古屋のポッカ本社でインスタントスープを担当するスタッフでした。担当者としていろいろな仕事があったんですが、そのなかの1つが需給調整。要は自分の担当商品が大体、年間若しくは月間で何個くらい売れそうかを予想し、それを工場(生産部)に依頼するという内容。当然だけど、いくつ売れるかなんて想像もつかないことを推定して依頼するわけなので「当たり」「外れ」が発生します。特にこの年の9月からは、国民的大人気を博した「ちびまる子ちゃん」をイメージキャラクターに使用出来たので、前の年の3倍の超バカ売れ現象が発生しました。つまり良い方向に推定が「外れた」ってわけ。会社としては良いことですが、実務担当者である私はこのおかげで、ホント、目が回る忙しさの渦に飲み込まれました。
全国の支店や営業所からは「せっかくメチャクチャ売れているのに商品を欠品させるとは何事だ!」という怒りの電話。工場の需給担当者からは「すみません、1,500個の生産予定が、機械トラブルで700個しか作れませんでした」というあってはならない電話などなど。とにかく私宛の電話はとどまることを知らず。そして僅か3分間トイレに行っただけで、自席に戻ると、机には「〇〇さんに電話してください」とか「△△さんから電話がありました」などの白い紙の伝言メモがところ狭しと貼ってあり、まるでスキー場のゲレンデの様でした(笑)。当時はメールとかありませんでしたからねぇ。毎日、朝6時半ころに出社し、ほぼ毎日終電帰宅でしたねぇ。
更に1週間後の10月13日に私は結婚式を控えており、当然ながらその後は新婚旅行(行先はオーストラリア)に出かけるわけです。ということは10日間くらい仕事を休む、つまり、その間の仕事を誰かに引き継ぐ必要がはっせいします。超忙しい真っ只中に10日間も現場を離れ海外に行くことについて、メチャクチャ心苦しい気持ちはありましたが、1年前から決めていた予定なので土壇場になって変更することは出来ません。幸いにも当時、同じ部署に優秀な後輩社員が2人いたので、この2人に仕事を引き継ぐことをも進めていました。2人は異口同音に「堀場さん、9月から殆ど毎日、早朝から遅くまで大変だったのはわかっています。10日間くらいなら何とか頑張りますから、海外でゆっくりリフレッシュして帰ってきてください」と言ってくれて、本当に心強く思い、感謝の気持ちで泣きそうになりました。今、思い出しても嫌になるくらい(笑)超ハードな一か月間でした。
余談ですがこの時の私の上司の方は後輩2人と全く逆のことを自分に要請してきました。「堀場、ホントに新婚旅行に行くのか?結婚式は変えられないだろうから仕方がないけど、新婚旅行はこの状況が落ち着くまで延期してくれないか?」。信じられない内容の発言に思わず絶句したことも今となっては驚愕の記憶です(笑)。
