驚愕の記憶、VOL 9 「千葉⇒長崎への転勤辞令」

 今回は(株)ポッカコーポレーションに在籍していた1998(平成10)年4月の千葉支店から長崎出張所への転勤辞令(厳密には2月28日の夜に内示を言い渡された時)のエピソードです。

 その日は月末の最終日で金曜日でもあったので、夕方の6時頃に当時の千葉支店の佐々木支店長から飲みに誘われました。元来がお酒好きな私ですので、勿論二つ返事でOKしました。忘れもしません場所はJR千葉駅近くの「居酒屋 チムニー」でした。お店に入って先ずはビールをオーダー。ほどなくビールが運ばれてきて「乾杯~!」。ま、ここまでは全く普通のパターンでした。しかし次の瞬間、佐々木支店長から信じられない言葉が発せられました。

 「おっ、酔う前に言っておくわ。本来なら3月1日以降に伝えるべきなんだけど、今から内示を伝えるわ。4月1日付けで長崎出張所に転勤だ。出張所の所長に昇格しての転勤だから決して悪い話ではない。以上。さぁ、飲もう」。一気に告げられて最初は何が何だか全くわかりませんでした。改めて目の前の佐々木支店長に問いました。

 堀場「えっ?ちょっと待ってください。今、何とおっしゃいました?さっぱり意味がわからないんですけど」 佐々木「えっ?だから4月1日付けで長崎に転勤ってことだよ」 堀場「えっ?誰が長崎に転勤なんですか?」 佐々木「何度も言わせるなよ。あなた、堀場さんが長崎に転勤です。所長に昇格して行くんだから良い話だ。断る理由もないだろうから行けよ。さ、飲もう飲もう」 堀場「え~っ、私が転勤ですか~、それも九州の長崎にですか~!!!」思わず店内中に響き渡る様な大きな声を出してしまい、他のお客さんの視線が一斉にこちらに集まりました。

 こんなに驚いたのには2つ理由があります。1つは自分がまさか転勤になるとは思ってもみなかったからです。というのは、当時の千葉支店には私も含め営業マンが8人くらいいて、その内で千葉支店に5年以上在籍しているいわゆる転勤適齢期の人間が5人いました。私は千葉支店での在籍が3年目を終えるところでしたので、全く転勤になるという意識がありませんでした。「今回は誰が異動になるんかな?」なんて完全に対岸の火事的に他の人間と話をしていたくらいですから。もう1つは転勤先が九州の長崎だったこと。私の場合、ポッカに入社してからは立川営業所⇒東京支店特販課⇒東京支店自販機課⇒名古屋本社⇒東京東営業所 と関東地区での勤務が殆どでしたので、「きっと次の異動先も関東地区だろう」と勝手に思い込んでいたからです。

 いやぁ驚きました~!その夜はかなりお酒を飲みましたが、全く酔いませんでした。帰宅してから勿論、妻にも長崎への転勤を伝えました。大げさではなく、部屋中を転がって驚いていました(笑)。ポッカには19年間(365日×19年=6,935日)お世話になりましたが、私の中で3本の指に入る驚きの一日だったことは言うまでもありません。